朝食1,000円台はもう限界?2026年、ホテル朝食価格の現実的な考え方

2026年のホテル朝食価格を考える朝食会場の風景 ホテル運営・外部委託
ホテル運営・外部委託


新年あけましておめでとうございます。
「ホテル朝食プロジェクト」ブログ、2026年最初の記事となります。

年始になると毎年のように、
「今年こそ朝食を何とかしないといけない」
そんな声を現場や経営層の方から耳にします。

原材料費の高騰、人件費の上昇、人手不足。
その一方で、朝食価格だけが何年も据え置かれているホテルも少なくありません。

特に多いのが、
「朝食は1,000円台でなければいけない」
という“なんとなくの前提”。

今回は値上げを勧める記事ではありません。
2026年の現場に合った朝食価格の考え方を、実例と数字を交えて整理していきます。

2026年、朝食1,000円台が苦しくなった理由

ここ数年で、朝食を取り巻く環境は大きく変わりました。
「頑張れば何とかなる」段階を超え、構造的に厳しくなっているのが現状です。

原材料費は一時的な高騰ではない

卵・米・油・乳製品など、朝食の中心となる食材は、ここ数年で大きく価格が上昇しました。
重要なのは、これが「一時的な値上がり」ではなく、仕入れ価格そのものが変わってしまった点です。
以前の価格に戻ることを前提にした運営は、2026年以降は現実的ではありません。

人件費は下がる前提で考えられない

最低賃金の上昇に加え、早朝帯で働けるスタッフの確保は年々難しくなっています。
人件費は「抑えられるコスト」ではなく、「必ずかかるコスト」として設計し直す必要があります。
人手不足が解消されるのを待つ考え方は、現場の負担を増やすだけになりがちです。

朝食だけが価格改定されていない

客室単価や宿泊プランは見直されている一方で、朝食価格だけが数年間据え置かれているホテルも多く見られます。
その結果、朝食部門だけが収支的に苦しくなり、現場に無理が生じてしまいます。
2026年は「なぜ朝食価格だけ変えないのか」を説明できるかが問われる時代です。

「値上げ=喫食率が下がる」は本当か?

値上げを検討する際、必ず出てくる不安が「喫食率」です。
しかし、実際の現場では価格よりも中身が評価されているケースが増えています。

価格よりも内容が見られている

宿泊者が朝食を選ぶ際、単純な価格比較よりも「内容に見合っているか」を重視する傾向が強まっています。
多少価格が上がっても、納得感があれば選ばれるケースは珍しくありません。
価格そのものよりも、価値の伝え方が重要になっています。

安くても評価が下がる朝食の特徴

価格が安くても、品数が多いだけで選びにくい、補充が追いつかない、といった朝食は満足度が下がりがちです。
結果として、口コミ評価に影響し、ホテル全体の印象を下げてしまうこともあります。
「安いから仕方ない」という考え方は、今の宿泊者には通用しにくくなっています。

価格を上げても選ばれる朝食とは

選ばれている朝食に共通するのは、品数の多さではなく、コンセプトの明確さです。
何を売りにしている朝食なのかが分かりやすく、選びやすい設計になっています。
価格改定は、そのコンセプトを再整理する良い機会にもなります。

実例|1,100円→1,800円でも喫食率が上がったケース

価格改定に成功したホテルでは、
値上げの前に必ず「準備」を行っています。

価格改定前に見直したポイント

このホテルでは、値上げを決める前に、メニュー構成とオペレーションを見直しました。
「何となく続けていたメニュー」や「手間の割に評価が低い料理」を整理しています。
価格改定は、現場を整えた後に行うことが重要です。

メニュー数を増やさない工夫

品数を増やすのではなく、選びやすさと見た目の整理を優先しました。
結果として、料理が残りにくくなり、原価と廃棄の両方が改善されています。
宿泊者からも「分かりやすくなった」という声が増えました。

値上げ後に起きた変化

値上げ後、大きなクレームはなく、喫食率はむしろ安定しました。
朝食に対する評価が安定したことで、現場スタッフの意識も前向きに変化しています。
価格改定は、現場環境を改善するきっかけにもなります。

朝食価格を上げる前に整理すべき数字

価格の議論をする前に、
把握できていない数字がないかを確認することが重要です。

原価率だけで判断していないか

原価率は重要な指標ですが、それだけで判断すると見誤ることがあります。
人件費や廃棄ロス、オペレーション負荷も含めて総合的に見る必要があります。
数字を部分的に見るのではなく、全体で捉えることが大切です。

喫食率を曜日・客層別で見ているか

平日と週末、ビジネス客と観光客では、朝食の動きは大きく異なります。
一括りの喫食率ではなく、内訳を見ることで改善点が見えてきます。
価格改定の判断材料として、非常に重要な視点です。

朝食人件費を固定費扱いしていないか

朝食人件費を固定費として考えると、改善の余地が見えにくくなります。
業務量や提供方法を見直すことで、変動費としてコントロールできる部分もあります。
運営方法そのものを見直す視点が必要です。

値上げが失敗するホテルの共通点

同じ価格改定でも、うまくいくホテルとそうでないホテルがあります。
失敗するケースには、いくつかの共通点があります。

値段だけを先に決めてしまう

価格だけを先に決めてしまうと、現場がその価格に追いつかなくなります。
結果として、サービス品質の低下や不満につながるケースが多く見られます。
順番を間違えないことが重要です。

現場への説明が不足している

価格改定の理由が現場に共有されていないと、不安や不満が生まれます。
スタッフが納得していない状態では、良いサービスは提供できません。
価格改定こそ、丁寧な説明が必要です。

朝食の役割が共有されていない

朝食を「何のために提供しているのか」が共有されていないと、判断がぶれます。
集客なのか、満足度向上なのか、収益確保なのかを整理する必要があります。
役割が明確になると、価格の考え方も自然と定まります。

2026年、朝食価格の現実的な判断基準

「いくらにするか」ではなく、
「なぜその価格なのか」を説明できることが重要になっています。

宿泊単価とのバランス

朝食価格は、宿泊単価とのバランスで考えることが重要です。
客室単価が上がっているにもかかわらず、朝食だけが安いままだと違和感が生まれます。
全体設計の一部として朝食を捉え直す必要があります。

朝食をコストだけで見ていないか

朝食は単なるコスト部門ではなく、ホテルの印象を左右する重要な要素です。
満足度や口コミへの影響も含めて評価する必要があります。
価格は、その価値を反映したものであるべきです。

内製・外注を含めた選択肢

内製にこだわるだけでなく、外注という選択肢を含めて比較することが重要です。
体制を見直すことで、価格設定の自由度が広がるケースもあります。
2026年は「やり方」を含めて考える時代です。

まとめ|「いくらが正解か」より「なぜその価格か」

2026年のホテル朝食では、
「朝食はいくらが正解か?」という問い自体が、あまり意味を持たなくなってきています。

重要なのは、
「なぜこの価格なのかを、社内とお客様に説明できるか」
という点です。

原材料費や人件費が上がる中で、
朝食価格を据え置くこと自体が、必ずしも“安定した選択”とは言えなくなりました。

むしろ、
・現場に無理が出ていないか
・サービス品質が落ちていないか
・朝食がホテル全体の価値を下げていないか
こうした点を定期的に見直すことの方が重要です。

朝食価格を考えることは、朝食だけの話ではありません。
それは、ホテル全体の運営方針や、今後の体制を見直すきっかけにもなります。

2026年は、
「なんとなく続けてきた朝食運営」を、一度立ち止まって整理する年にしてみてはいかがでしょうか。

最近、特に多いご相談内容

  • 朝食を値上げしたいが、喫食率が下がらないか不安
  • 原価率は把握しているが、朝食全体の収支が見えていない
  • 人手不足で、今の朝食運営を続けられるか分からない
  • 内製と外注、どちらが自社に合っているのか判断できない
  • 価格改定をしたいが、現場への説明方法に悩んでいる

いずれも、「すぐ外注するかどうか」を決める前の段階でご相談いただくケースがほとんどです。


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